ツアー型オープンファクトリーの設計

ツアー型のオープンファクトリーは、時間が決まっているので受け入れ側の負担が少ない、参加者が事前にわかる、自社に興味のある見学者と密にコミュニケーションがとれるなどのメリットがあります。その分事前に準備すること、調整することも多いので、運営者と現場が連携しながら対応します。

ツアーの企画

ツアーに協力してくれる企業・工場の発掘・依頼、見学先との事前確認・調整

・見学の可否の確認し、工場やお店のオープン時間・見学可能人数を確認しておく。

・参加者は「話を聞く:だけではなく「現場を見たい」。さらに動いてない「現場」だけではなく

 実際「仕事」の様子を見たいので、できるだけ作業風景が見られるように交渉する。

・見学できる作業内容について事前に確認しておく。見学に時間がかかる場合、見るべき優先順位に従って見学する等で、全ての工程を見せなくてもよい。

・全体スケジュールの説明(前後の見学先により説明内容の過不足を調整)

・どのような説明をしてくれるのか事前に確認し、説明の過不足等についてフィードバックや要望を伝えておく。

 

◆ツアーの準備

・見学ガイドの作成

例:産地の歴史、織り方、織機の種類(ヤマナシ)

・参加者名簿、名札の作成 ・タイムスケジュールの作成

・旅行傷害保険への加入 ・弁当、昼食の手配

・備品の準備

例:見学先等のパンフレットをまとめて配布できるようにしておく

例:土足厳禁の場所用のスリッパの用意

例:とくに音がうるさい工場の場合は、メガホンやトランスミッター(送信機)などを用意して説明が聞こえるようにする

スケジュール設定

・移動時間は余裕をみておく。

・見学時間は事前に見学できる内容を確認の上、時間の目処を立てておく。

・商品のアーカイブをじっくり見たい人も多い。工場見学かアーカイブ見学か選ばせるのも良い。

・想定以上に体力を使う。水分補給や休憩する場所や時間を決めておく。

・冬場は日没が早いので訪問時間帯に注意。

・特に季節やオープンファクトリー開催により渋滞が予想される場合は、

 余裕を持ったスケジュールの組み立てが必要。

・渋滞でスケジュール変更になる場合があるので、事前に時間調整できる見学先を組み込む、見学先を減らす、見学時間を短くするなどの対応を決めておく。

ツアーの告知・予約

ツアー内容の紹介

・スケジュール

・集合場所

・最小催行人数や開催条件

・申込締切と参加決定の通知日

・参加費と支払い方法

・雨天や災害での中止の判断と連絡について

ツアーの見どころ等を写真で紹介し、魅力を伝える

・前回のツアーの様子や事前に撮影した魅力的な写真で紹介。

※ツアー参加者には写真撮影の許可を求めておき、次回の告知で使えるようにしておく

ツアーの対象者

◇ツアーの対象者

・一般客かプロ向けか

・プロの場合は取引対象者に限定するのか、関心がある人なら誰でもOKか

参加者の予約と確認

・ウェブフォームからの予約→受付メールの配信もしくは電話受付

・申込時の記載内容<宿泊希望・(複数箇所で集合の場合の集合場所)氏名・住所当日連絡用携帯電話番号・会社名・業種・メールアドレス・参加動機・希望内容・(昼食等を取る場合、アレルギー等で食べられないものも確認)・自由連絡欄>

・参加決定通知連絡:当日参加意思の再確認(必須)携帯で受信する等で、メールでの連絡が届いていない場合があるので、メール返信をもらうか、電話確認をすること

・キャンセル方法とキャンセルの締切をお知らせする。当日キャンセルの場合の連絡方法をお知らせする。

・遅刻は厳禁、定刻通り出発する。遅刻者はどうやって途中合流したらよいか。場所や時間を決めておく。遅刻連絡があった場合にお知らせできるようにする。

ツアー参加者に求めること

・ 終了後のアンケート

・ ブログやフェイスブックでの告知

・ 見学先とのコラボ

【台東モノマチ:職人見学ツアー ガイドシート】

 【ヤマナシハタオリ産地バスツアー:ガイドブック】

ツアーの実施

集合・調整

・運転手との顔合わせ  

・集合場所の設置  

・参加者が遅刻した際に待つ時間を決めておく。(10分程度など)

・連絡無く遅刻した参加者に電話連絡し、状況を確認する。大幅に遅れる場合は自己責任で遅刻時集合場所に来てもらう。

移動

・トイレ休憩などでバスを離れた際には、戻ってきたときに顔と名前を確認  

・怪我や病気の発生の場合の対応について注意

・スケジュールが遅れた場合の調整と見学先への変更連絡(見学先をカットする、時間を短くするなど)

事前レクチャー(バス車内でも可)

・ガイド役の自己紹介

・ツアー開催の意図

・参加者の自己紹介は最初でも、説明終了後でもよい。できるだけ参加者同士の交流のきっかけを作るように配慮する。

・産地の歴史や背景など、工場が置かれている事情(※三条は問屋の町、燕は職人の町、海外製品にシェアを奪われている。工場見学できる企業が増えているなど)

・製品製造のプロセス、主要な加工のポイント

例:富士吉田 ジャカードとドビー、シャトルとラッセルの違い。工場見学のポイントになる

・見学する会社の紹介 ・産地や産業の中での位置づけなどを中心に

・見学時の驚き・新鮮さを残すように面白いポイントは言わない。後で補足する。

・受け入れ側の説明者が気持よく案内できるように参加者にも協力を求める。見学先でのリアクションや質問のお願い

見学の案内

・工場見学の受け入れに準ずる

・これまでの見学先で既に得られた情報についてお知らせし、案内の過度の重複を避ける(多少は同じ内容でもかまわない)

・到着時間は大幅に早まる・遅れる時は見学先に連絡を入れる

・徒歩移動や集合に時間がかかりがちなので、適宜誘導する

・見学時間が決まっている場合は見学前に参加者と説明者にお知らせ

・複数の組に分かれて見学する場合は、見学時間や交代方法、集合場所や時間などを決めておく

解散

・見学先やバス内での忘れ物の確認

・アンケートやフェイスブック、ブログでの報告のお願い

・関連イベントの案内

・次回開催、関係イベントの紹介