参加者・支持者集めについて
オープンファクトリーを単なるイベントとして終わらせるのではなく、地域の活性化につなげるためには、意欲ある参加者や支援者を集めることが大切です。多数の参加者があるオープンファクトリーでは、参加動機も「面白そうだから」「会社のアピールのため」「地域貢献」「社員教育」などバラバラですが、当事者意識を持って一緒に地域や産業を盛り上げてくれる仲間を集めていきます。
参加企業を集める
参加企業を集める際、とくに中間工程や賃加工中心の工場や職人の場合、自社の仕事場を見せることのメリットを理解しくい場合や、見学受け入れの負担から敬遠されることがあります。無理にお願いしてしまうと「参加してやっている」というお客さん意識になりがちです。あくまで「一緒に地域を盛り上げよう」「面白いからやってみよう」「せっかくの技術を見せないのはもったいない」というように、自発的に参加したくなるように誘いたいものです。一度参加してもらうと楽しさや充実感を味わい続けてくれることも多いので、まずは参加しやすい雰囲気づくり、きっかけ作りにも配慮しましょう。
また、普段仕事上の付き合いがない若者や女性が誘ってみるのも効果的とのこと。情に熱いモノづくりに関わる方たちは、若者の頼みであれば断りにくいのかもしれません。
趣意書・企画書を作成する
趣意書・企画書の作成は最も重要なポイントです。どのようなビジョンで開催したいのか、何を目指したのか、参加者は何をしたら良いのか等、書類だけでも共感してもらえるように何度も見直します。さらに言葉だけでは伝わらないことも多く、(2回目以降で過去開催を見ていない場合)イメージが掴みにくいので、過去開催や他地域の写真、参加者のコメント等を見てもらうことで、具体的なイメージを持ってもらうことも効果的です。
おおたオープンファクトリーでは大学による産業地域の調査を基にプランが作られました。
おおたオープンファクトリー:
『モノ・まちBOOK 2012 〜第1回オープンファクトリー成果報告書〜』
母体となる組織を活用
もともと活動している組織を中心に参加企業を募ります。組織のリーダーが中心になって、組織として参加する意義や、メリット等を伝えます。オープンファクトリーに対する関心度合いはそれぞれ異なりますから、まずは積極的な意欲のある参加者を集めることが望ましいでしょう。
自社を公開することに意欲ある参加者のほうが、実際に開催した際には、見せ方や伝え方を工夫するので、お客様の反応も良く、得られるものも大きくなります。頼まれたので、嫌々ながらでは参加に力が入らず、また運営者への要求やクレームも厳しくなることもあります。
しかし、参加してもらって、参加者同士や来場者と交流して、初めて楽しさや意義を感じてくれることもあるので、できるだけ一緒に参加できるようにコミュニケーションをとってください。
繋がりから仲間を集める
各オープンファクトリーでは、取引先やご近所、同じ団体に加盟している、同じセミナーの受講生など、人と人とのつながりから仲間を集めているところが多いのも特長です。
長年近隣にあるのにお付き合いが少なかった会社や工場に、イベント参加者を募集するために挨拶しにいくことから、あらためて近所づきあいが始まる場合も少なくありません。「地域のために」という理由が、近隣や知人に声掛けする勇気を与えてくれるのです。
また参加してくれなくても、声をかけていくことで関心をもってもらうきっかけにもなります。開催への思いを多くの人に伝えることも重要です。
声をかけられた側が「ずっと地域のために貢献したかったが、活躍できる場が無かった」と喜んで参加してくれる場合や、積極的に運営に関わる人が出てくることがあります。
説明会・報告会の開催
参加しようか迷っている場合、説明会等で趣旨や内容、事例などを聞いてもらうのも効果的です。主催者の想い、イベント概要(映像などもあるとなお良い)、参加者の体験談などでモチベーションを高めてもらい、同時に参加にあたっての不安を解消する質疑等を組み合わせます。さらに、イベント終了後の開催報告会に次回参加に関心がある方を招き、参加者と交流してもらい、生の声を聞いてもらいましょう。
【写真/エーラウンド:参加者説明会(8月開催)】
協賛金や支援者を集める
「地域」や「産業」を元気にするという公益性の高い事業ですので、イベントを継続的に実施していくためには人やお金の問題をクリアしていかなくてはなりません。
お金での協賛、物品、サービス等での協力者を探すためには、できるだけ多くの人に情報を発信し、協力を受け取る仕組も必要になってきます。
理念に共感したが、都合で運営やイベント参加はできないという方からの協力を受け止めるメニューを整備していきましょう。協賛会員制度、広告メニュー、場所や物品提供受入れのルール、ボランティア制度なども必要になってくるでしょう。